談話会情報

月曜日、16:00 から 17:00 まで理学部数理科学記念館(川井ホール)にて行ないます。

これからの談話会

  • 2025.4.28(月) | 談話会

    講演者:横山 啓太 氏 (東北大学)

    題目: 算術の超準モデルと逆数学--証明能力の部分等価性分類--
    概要:
    数学の定理の強さを証明論的に評価する手法として,定理を証明するのに必要十分な公理の強さを特定するために,定理から公理の導出を試みる逆数学の手法がよく知られている.こうした評価の際には,特に計算論的な複雑性がその公理的強さを決定することが多く,そのため逆数学は計算可能性次数の視点から幅広い研究が行われてきた.一方,近年の証明論の研究では,証明能力の部分等価性の証明,いわゆる「保存拡大性」を用いた別軸による定理の評価方法が発展してきている.このような部分等価性の評価を得るためには形式化された定理の証明を細かく分析するだけでなく,算術の公理を満たす自然数と非同型な様々な構造,いわゆる超準モデルの拡大構造・部分構造の分析や自己同形の分析が役に立つ.ここでは逆数学の近年の発展を概観しつつ,2階算術の超準モデルのいくつかの性質を紹介し,そのモデル的な性質が導く部分等価性について議論する.またその帰結として得られる,ラムゼイの定理をはじめとした組み合わせ命題の証明論的評価について,いくつかの結果も紹介する.

  • 2025.5.12(月) | 談話会

    講演者:Dumaz Laure 氏(Laboratoire du DMA, ÉcoleNormale supérieure)

    題目: Anderson Hamiltonian and random matrices.
    概要:
    In the 50s, Wigner proposed his famous random matrix model to describe the repulsion observed between energy levels of heavy nuclei. Around the same time, Anderson independently proved a localization phenomenon for electrons, now named “Anderson localization” for some Schrödinger operators. This talk will mention some of the major conjectures of those two fields and explain certain recent results exploiting the links between the two theories.

  • 2025.5.19(月) | 談話会

    講演者:日下部 佑太 氏 (九州大学)

    題目: Levi問題から岡の原理へ、そして新たなLevi問題へ
    概要:
    岡潔が解決した多変数函数論の三大問題「近似問題、Cousin問題、Levi問題」のうち、最後に解かれたLevi問題は、Stein領域を境界の擬凸性で特徴付けるという難問中の難問であった。 Cousin問題解決の際に発見されたホモトピー原理「岡の原理」は、このLevi問題解決を礎として、GromovやForstneričらによって近似問題も含む岡多様体の理論に発展した。 本講演では、Levi問題の解決から岡多様体論への発展を概観し、岡多様体論から生じる新たな問題「双対Levi問題」に関する結果を紹介する。


過去の記録

2025年度

  • 2025.4.14(月) | 談話会

    講演者:岡部 真也 氏 (東北大学)

    題目: 弾性曲線に対する障害物問題
    概要:
    曲線の曲率の二乗積分として定義される曲げエネルギーは、Euler による研究まで遡ることができる古典的な幾何学的汎函数であるが、様々な設定の下での変分問題や対応する勾配流など、今もなお興味深い研究対象であり続けている。例えば、異なる二点をそれぞれ端点とするグラフ表示された開曲線の中で、曲げエネルギーを最小化するものは二点を結ぶ線分であることは自明である。しかし、二点の間に障害物をおき、自明な最小解である線分を除外すると、この自明であった問題は興味深い研究対象へと姿を変える。実際、障害物を付した状況下では、その二点を端点とするグラフ表示された開曲線の中で曲げエネルギーを最小化するものは存在するか否かが障害物の設定に依存することは容易に想像されることである。本講演では、弾性曲線に対する障害物問題として2010年代後半頃から研究されてきたこの問題について、講演者の結果も踏まえつつ概説する。


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