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セミナー情報
今週のセミナー
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2025.4.21(月) | セミナー
数理物理学特別セミナー(16:00-- 【会場:川井ホール】)
発表者:Bruno Mera 氏 (Universidade de Lisboa and AIMR, Tohoku University)
題目:From ideal bands to generalized Landau levels: quantum geometry of Bloch bands in the holomorphic setting
概要:Abstract(pdf)
世話人:横山啓太
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2025.4.22(火) | セミナー
幾何セミナー(15:00--16:30 【会場:数学棟305号室】)
発表者:持田 知朗 氏(東北大学)
題目:Pachner関係式と代数的構造
概要:
本講演では,三角形分割を用いた多様体の不変量構成を背景にPachner関係式を導入し,その解について考察する.様々な代数的構造から解が得られることを,主に低次元の場合を中心に解説する.注目している4次元ではtrialgebraと呼ばれる代数を紹介し,例とともにそこから得られる解や関連する話題について説明する.なお,本発表はMihalache Serban Matei氏との共同研究に基づく.
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2025.4.24(木) | セミナー
解析セミナー(16:30–18:00 【会場:合同A棟8階 801室】)
※応用数理解析セミナーと確率論セミナーの合同セミナー
発表者:梶野 直孝 氏(京都大学)
題目:一様領域上の反射壁拡散過程の境界跡に対する熱核評価
概要:
本講演では,Mathav Murugan 氏 (University of British Columbia) との最近の共同研究 (arXiv:2312.08546) で得られた「劣 Gauss 型熱核評価を満たす対称拡散過程, および その状態空間内の一様領域が与えられたとき,その一様領域上に自然に定まる反射壁拡散過程の境界跡過程は安定型(stable-like) 熱核評価を満たす」という結果を紹介する. この結果は,それら自身興味深い結果である次の事実を証明することにより得られる:
(1) 調和測度(拡散過程の境界への初到達位置の確率分布)の上下評価とdoubling 性
(2) 領域上のNaïm核(Martin核のある種の「対称化」)の領域境界への連続拡張の存在
(3) 境界跡過程の Dirichlet 形式が,調和測度に関する跳躍核が Naïm 核(の連続拡張)であるような純跳躍型 Dirichlet 形式で与えられることを意味する Doob-Naïm の公式
確率論セミナーHP応用数理解析セミナーHP
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2025.4.25(金) | セミナー
ロジックセミナー(15:00--16:30 【会場:合同A棟801】)
発表者:荒木 緒途 氏 (東北大学)
題目:部分体系WWKL_0の紹介
概要:
二階算術の部分体系WWKL_0を紹介します。これはWKL_0より真に弱い部分体系で、Martin-Lof randomnessとの深い関係が知られているほか、逆数学の観点からは、測度の可算加法性やVitaliの被覆定理などの、測度に関する基本的な主張とのRCA_0上での同値性が知られています。 今回は、WWKL_0を導入し、その測度論との関係やω-modelの構成について簡単に説明します。時間があれば、測度や関数列の収束に関する一般論を避けて、RCA_0上で特異積分論を扱う方法と、その課題について説明します。
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来週以降のセミナー
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2025.5.9(金) | セミナー
確率論セミナー(17:00--18:30 【会場:合同A棟8階 803室】)
発表者:赤堀 次郎 氏 (立命館大学)
題目:反対称版のマリアバン解析とKdV方程式
概要:
本講演では,[1] で導入された反対称版のマリアバン解析(の作用素)によって[2]におけるKP方程式/KdV方程式のタウ関数の表現がどのように理解できるかについて論ずる。
[1] J. Akahori, T. Matsusita, and Y. Nitta, An Anti-Symmetric Version of Malliavin Calculus, Journal of Stochastic Analysis: Vol. 2: No. 3, Article 14.
[2] H. Aihara, J. Akahori, H. Fujii, and Y. Nitta, Tau functions of KP solitons realized in Wiener space, Bulletinof the London Mathematical Society 45 (2013) 1301-1309.
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2025年度
過去の記録
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2025.4.8(火) | セミナー
幾何セミナー(15:00--16:30 【会場:数学棟305号室】)
発表者:見村 万佐人 氏(東北大学)
題目:不変擬準同型から実双線形形式を作る
概要:
川﨑盛通氏(北海道大学)、木村満晃氏(大阪歯科大)、松下尚弘氏(信州大学)、丸山修平氏(金沢大学)との共同研究です。この研究グループでは「不変擬準同型(invariant quasimorphism)」という概念を調べています。今までは主に、「群 G 上の擬準同型(quasimorphism)」を (G,N)(N は G の正規部分群)のペアに相対化したものだと思って研究してきました。最近になって、不変擬準同型を「N 上の G の随伴作用で不変な準同型(invariant homomorphism)」を擬化したものだと捉えることで得られる現象があることが分かりました。例えば、開シンプレクティック多様体のハミルトン微分同相群の普遍被覆上にはカラビ準同型があります;対照的に、閉シンプレクティック多様体にするとこの普遍被覆は完全群となり、実数への準同型写像は零写像しかありません。ですが、不変「擬」準同型を考えることで、閉シンプレクティック多様体でも非自明な現象を得ます。
今回は、不変擬準同型の定義から始めて、この最近の進展を概観したいと思います。
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2025.4.10(木) | セミナー
応用数理解析セミナー(16:30--18:00【会場:合同A棟8階 801室】)
発表者:Lorenzo Cavallina 氏 (東北大学)
題目:「二相」を超えて— 無限相の場合を含む多相複合媒質における楕円型及び放物型優決定問題
概要:
本発表では, 多相複合媒質における Serrin 型優決定問題を考察する. 媒質は, 有界領域 $\Omega$ 上で定義された区分的定数関数 $\sigma$ を係数に持つ楕円型作用素で表現される. 関数 $\sigma$ が一定値をとる部分集合を「相」と呼び, 境界に接する相を shell, 内部の相を core, 異なる相の境界面を界面と呼ぶ. また, $\sigma$ の取る値の数によって, 「一相」, 「二相」, 「多相」設定に分類する. 本発表では, 斉次 Dirichlet 境界値問題の解 $u$ を扱い, $\partial\Omega$ の連結成分 $\Sigma$ 上で法線微分 $\partial_\nu u$ が一定であるという追加条件を課した優決定問題を考える. このとき, $\Sigma$ 上では二つの境界条件を課しているため, 解が存在するとは限らないことに注意する. Sakaguchi (2016年, 2020年) は以上の優決定問題が解を持つための必要十分条件を与えた. 具体的には, $C^2$ 級の界面と連結な shell を持つ二相複合媒質に対して, $\Sigma$ が球面の場合, $\partial\Omega$ と界面が同心球面であるときに限り解が存在することを示した. 本発表では, 弱形式を用いて Sakaguchi (2016年, 2020年) の定理の初等的な証明を与え, さらに粗い界面を有する多相設定に対する楕円型及び放物型優決定問題への応用について述べる. なお, 本研究は Giorgio Poggesi 氏 (University of Western Australia) との共同研究に基づく.
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2025.4.17(木) | セミナー
応用数理解析セミナー(16:30--18:00【会場:合同A棟8階 801室】)
発表者:Dongyuan Xiao 氏 (東北大学材料科学高等研究所)
題目:Complete classification of traveling wave solutions to monotone dynamical systems
概要:
反応拡散方程式 $u_t=u_{xx}+f(u)$ の解の伝播現象を研究するため, 行波解の漸近挙動は非常に重要な役割を果たす. 非線型項 $f$ が単安定条件を満たす場合, 最小の行波解速度 $c^∗$ が存在し, 任意の速度 $c \geq c^∗$ に対して行波解が存在することが知られている. これらの行波解は, その減衰速度に基づき, 3つのケースに分類できることが, 簡単な相図解析によって示される. このような分類は, 非局所拡散方程式やLotka--Volterraモデルなど, より複雑な順序保存系にも適用可能であると予想されているが, 相図解析が直接適用できないため, 未だに完全な解決には至っていない. 本発表では, すべての順序保存系に対してこの分類方法が成り立つことを証明できる, 統一的なアプローチを紹介する.
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2025.4.18(金) | セミナー
ロジックセミナー(15:00--16:30 【会場:合同A棟801】)
発表者:竹田 侑人 氏 (東北大学)
題目:Modal logic in second-order arithmetic
概要:
逆数学は数学の諸定理を公理系との導出関係に着目して分析・分類する学問である. 逆数学で扱う数学の対象は多岐にわたり, その中にはロジック自身も含まれる. ロジックの逆数学的分析としては, S.SimpsonによるGödelの完全性定理とWKL_0のRCA_0上における同値性やT.Yamazakiによる直観主義論理のKripke強完全性定理とACA_0のRCA_0上における同値性などが知られている. 本発表では逆数学の紹介を行うとともに, 完全性定理を中心とした様相論理の諸定理の逆数学的分析について, 判明しているいくつかの結果と今後の展望について解説する.
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2025.4.18(金) | セミナー
確率論セミナー(17:00--18:30 【会場:合同A棟8階 803室】)
発表者:髙野 凌史 氏 (大阪大学)
題目:A semigroup approach to the reconstruction theorem and its applications
概要:
星野壮登氏(東京科学大学)との最近の共同研究(https://link.springer.com/article/10.1007/s40072-025-00352-5, arXiv:2408.04322)により,正則性構造理論の解析的主要定理「reconstruction theorem とmultilevel Schauder評価」の別証明が与えられた.別証明の鍵は, (Otto & Weber '19, Hoshino ’23)で研究された半群による解析手法を拡張することである.本アプローチの御利益の一つは,(non-translation invariant な微分作用素から定まる)2次元放物型Anderson模型の時間局所解を構成できることである.本講演では,正則性構造理論を用いてどのように確率偏微分方程式の解を構成するのかそのアイデアについて紹介し,先行研究と本研究の相違点に注意しつつ上で述べた事柄について議論する.
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